インプラントは、生体と親和性の高いチタン金属の人工歯根により失われた歯を再建する治療法です.一種の若返り=アンチエイジング(anti-aging)を踏まえた治療法と言えます.
長期にインプラントを使用するには、診査・診断→外科処置→冠の作製(補綴処置)→メインテナンスの4つのステップを丁寧に確実に行うことが重要です.
コーンビームCT(CBCT)などを用いた診査・診断、再生医療の概念を応用した組織再生による歯槽骨顎骨再建(GBR、サイナスリフトなど)、手術用ステントを用いたガイデッドサージェリーなどの外科処置、定期的な噛み合わせの調整・クリーニングなどのメインテナンスを含みます.
これらの診療は学会活動を継続している学会認定専門医、指導医、専門歯科衛生士が担当いたします.
インプラントの外科処置はリラックスした状態で治療が終了する、麻酔専門医による静脈内鎮静法(Intra-venous sedation: IVS)の併用が可能です.
手術と聞いただけで、怖い、恐ろしい、痛いのではないかと不安感や恐怖感をお持ちの方には、この静脈内鎮静法による無痛治療をお勧めいたします.
なお、当院は公益社団法人日本顎顔面インプラント学会の認定研修施設です.
親知らず=智歯(埋伏智歯)の抜歯、萌出してこない幼児、成人の過剰な歯(過剰埋伏歯)、また保存不可能な歯の抜歯を専門的な技術で行います.親知らずの抜歯に際して、(友人・知人との会話で脅されることが多いのですが)痛い、怖い、恐ろしいと不安感や恐怖心をお持ちの方には、静脈内鎮静法による無痛治療での抜歯をお勧めいたします.
下顎の智歯が下顎管(下歯槽神経血管束を入れる)に近く、抜歯により神経の傷害が危惧される場合があります.多くは下唇の一過性の麻痺症状ですが、長く続く場合が低頻度にあります.
神経損傷ゼロを目指して、当院CBCTの診断後、1回目は歯冠の除去手術→2回目は弛緩し神経から移動し離れた歯根の除去手術を行う2回法抜歯術または歯冠除去術を考慮いたします.
顎関節の痛み、音がする(雑音)、口が開きづらい(開口障害)などに対する診断と治療を行います. 顎関節症の主な症状は、顎関節の痛み(疼痛)、音がする(雑音)、口が大きく開かない(開口障害)の3つです.これらの症状が3つそろっている場合や、1つまたは2つの場合があるなど様々です.また、なかなか治らない口周辺の痛みの原因が、この顎関節の痛みの場合もあります. 顎関節は、左右2つあり、関節頭・関節窩・関節円板からできています.そしてこれらを動かす筋肉(咀嚼筋)、顎骨、歯などが顎関節の動きに関与します. 顎関節症は、I型:口を開けたり閉めたりする筋肉に異常がある、II型:関節全体に異常がある、III型:関節円板に異常がある、IV型:関節頭に異常がある、の4つの症型分類されます. 顎関節症の治療は、上記の症型を診断後、それぞれの症型に応じた治療法が選ばれます.痛みに対する鎮痛薬の投与、歯ぎしりや噛み締め、痛みに対するスプリントと呼ばれる咬合床の使用、関節円板復位運動を行うなどがあります. 顎の関節が痛い、音がする(雑音)、口が開きづらい(開口障害)などの症状のある方の受診をお勧めいたします.
高まった不安やストレスによって上下の歯を無意識に接触させ顎関節や歯に負担がかかり顎関節の痛み、噛み合わせの違和感、入れ歯の不調・痛み、また緊張による顔の周りの筋肉の疲労や痛み、肩こりなどにつながっている方を診ます.歯の軽い接触する癖は「tooth contacting habit: TCH」と呼ばれます.「口の脱力」、「歯を離す」が治療目的になります. TCHかなとお思いの方の受診をお勧めします.
抜歯の運命にある不要な自分の歯を、抜けて失った部分に移植して歯を再建することが可能です.すなわち、虫歯や外傷事故によって失った歯の再建を不要な自分の歯(例えば親知らず=智歯、矯正治療のため不要になる歯)の自家移植により行ないます. 「こんなことが出来るのだ、知らなかった」と驚かれる方が多いです. 特に、矯正治療と歯の自家移植の組み合わせは自分の歯による美しい歯列を作ります.矯正治療の際、不要なため抜歯され捨てられる歯(小臼歯が多く便宜抜去歯と呼ばれます)の利用が可能です.この歯を抜けて欠損した歯の部分に移植し美しい歯列の作成が可能です.矯正治療をお考えで、歯の移植が自分もできないかなー、とお思いの方の受診をお勧めします.
●口内炎(口腔粘膜疾患)の診断と治療 舌、頬、歯肉などの口腔粘膜に生じる難治性の口内炎、口腔がん、腫瘍、嚢胞、口腔乾燥症などの診断と治療を口腔外科的または内科学的知識・技術に則って行います. なかなか治らない口内炎症状の方の受診をお勧めします. 口内炎の発症状況は、 1.口腔粘膜だけにできるもの(口腔固有型): ヘルペス性口内炎、帯状疱疹、カンジダ症などのウイルスまたは真菌の感染症などがあります. 2.皮膚病と関連してできるもの(粘膜皮膚関連型):扁平苔癬、尋常性天疱瘡、粘膜類天疱瘡など水ぶくれができる難治性の口内炎があります. 3.内臓や全身の病気が口の中にできたもの(全身疾患関連型):ベ−チェット病の再発性アフタ、シェ−グレン症候群の口腔乾燥症、白血病の歯肉増殖症、降圧剤の副作用による歯肉増殖症、精神的要素が関連する舌痛症などに分けられます. したがって、このように多彩な口内炎の診断は、皮膚病との関連はないか、また内臓の病気によるものではないかと診ることにより行います. 口内炎の色は、主に赤色ですが、白色、黒色、黄色といろいろあります.白色は口腔粘膜が厚くなった状態(角化亢進)で白板症とよばれるがんに変わる病気(前がん病変、potentially malignant disorder)のことがあるので要注意です.がんに移行した白板症の1例を写真に示します.★写真 治療は内服薬や外用薬を用います.外科治療が必要な場合もあります.また、プラークコントロールなどの口腔衛生指導は、口内炎の症状安定に重要です.なかなか治らない口内炎(難治性口内炎)の方の受診をお勧めします.
虫歯、歯周病、補綴(入れ歯、かぶせもの)の治療を行います.
歯周病とは歯の周りの歯茎と骨に炎症がおき、進行すると最終的には歯が抜けてしまうこともある恐ろしい病気ですが、初期には自覚症状が出にくい病気です.そのため、歯がぐらぐらする、歯茎が腫れる、膿が出るなどの自覚症状がでたときにはかなり進行していて治りづらいことが多いです.これを防ぐには、自覚症状が出る前に積極的に定期検診を受け、早期発見、また予防をすることが大切です.歯ぐきの中の状態など、さまざまな検査を行なって、1本1本の歯の歯周病の進行状態や回復状態をチェックします.当院では、経験豊富な日本歯周病会認定歯科衛生士による専門治療や、歯周病専門医、口腔外科専門医による手術療法(再生医療など)を受けることができます.
審美歯科は美しく見えることはもちろん、よく噛める、よく話せるといった機能が正しくなることによって、お口の健康や心身の健康を増進し、本当の意味の美しさを長く保ってゆくことを目指しています.鏡を見て口元が気になり歯の大きさや形や色、歯ぐきに不満や悩みを持たれている方はご相談下さい.審美歯科で行う治療には次のようなものがあります.
虫歯、歯周病の原因と予防法がわかれば治療の繰り返しが避けられます. 定期的に健診を受け、むし歯、歯周病を予防することが大切です. その他にも、口内炎(口腔粘膜疾患)や口腔乾燥症の方々へのお口の管理も積極的に行っています.日本歯周病会認定歯科衛生士がお手伝いいたします.